オブネココラム

ほそぼそ産業医 その他MD.PhD.。ご放念下さい。

白井聡先生の面白さは、太田胃散のよう

知識人といわれる先生方が、社会をどのように理解しているのか知りたいけど、難しい学術用語とかは苦手なんだなあ、という人に、勝手におススメする一冊 長期腐敗体制(角川新書 白井聡)134ページより 二〇一九年二月の国会で、アメリカのトランプ大統領(…

ドライブマイカーは文学の映像表現だと思う

映画ドライブマイカーは、村上春樹の小説世界そのものでした。映画版ノルウェイの森は、ストーリーはなぞられていたけれど、原作の世界とは何かが違っていました。ドライブマイカーは、原作とはストーリーは違うのに、どこがこんなにも村上春樹ワールドなん…

コロナ第7波どうでしょう

発熱外来は、猛暑とゲリラ豪雨とで、まるで「水曜どうでしょう、ベトナム縦断の旅」の様な、懸命さと悲壮感がある点を通り越した時の、馬鹿馬鹿しい達成感とでも言えばいいでしょうか?そんな感じです。今回のオミクロンだかケンタウロスだかは、肺炎にはな…

思い出を、洗ってさっぱり出来るのか

今週のお題「最近洗ったもの」私は、洗濯オタクなのだろうか?。週に一度程度、シーツやトイレマットやテーブルクロスを洗うとなると、結局ほとんど毎日二回洗濯機を回す事になる。おそらく洗いすぎで、トイレマットの端が擦り切れてしまった。それでも使っ…

一軍目指して

今週のお題「二軍のTシャツ」一応Tシャツは持っているけどもちろん全部二軍で、一軍のTシャツなんてそもそもない。つまりTシャツで外出は出来ません。というのに共感してしまうのなら、まあまあなお年頃ですね。ふふ。 スーツは、衰えた筋肉や、張りのない首…

沙汰の国の弁護士 

ギリシャ神話には、それはそれはカラフルな神様が出てきて愛憎劇を繰り広げる。日本の古事記だって同じ。そんな小説書いたって誰も読まないよ、というくらいの変な物語が堂々と語られる。そもそも、兄妹のイザナキとイザナミが交わって、国を産もうとして最…

ネロンガを飼い慣らす

今週のお題「マイベスト家電」 公務員官舎というモノに少しだけお世話になったことがあります。あれは世間が思うような、議員宿舎みたいに立派なものではなく、築40年の骨董品みたいな建物で、バターンと凄い音を立てて閉まる鉄の扉、板張りの(フローリング…

タイムパフォーマンスがいいとか悪いとか

ライターの稲田豊史さんが、「映画を早送りで観る人達」で、映画やドラマなどの動画を初見で「倍速視聴」「10秒飛ばし」する事が習慣化している若者について書いている。 もはや若者ではない私も、一時、撮り溜めしていたTV番組を見るのに1.2倍速とかで見て…

参議院選挙が始まったらしい

参議院選挙が始まったらしい。 私は大人だから、選挙には行く。 ところで、議員という職業が憧れの職業でなくなってから久しいと思うけれど、それはいつからなのでしょう? 私が大人になったから?、それだけではないと思います。尊敬できる人は、私の周囲に…

追悼 小田嶋隆先生

小田嶋隆さんが鬼籍に入ってしまわれた。 昨日、センセイの書いた小説を読み始めた所でした。 小田嶋センセイは、現代社会を鋭く批評、とか言われがちだけれど、やはり鋭さはどうしたって、鋭い刃を握るその人自身が傷つかないではいられないのか、センセイ…

猫に小判 私にドメイン

今週のお題「わたしのドメイン」 独自ドメインを取得できますよ。どうですか?と言われたら、何と答えようか考えておかないといけない時代なのでしょうか。大変な事です。何故なら、豚に真珠、猫に小判、私にドメイン、だから。 猫に小判は、全くもって意味…

祖父の本棚

今週のお題「本棚の中身」 祖父は、普通の人だったが本が好きだった。正確には本が好きな自分が好きだったのだと思う。太平洋戦争に人生を狂わされた一人で、戦争がなければ、学者になりたかったのだろうか、貧乏でなければ太宰治の先生の様な、高等遊民の暮…

夏のいいところ

今週のお題「夏物出し」 夏は夜。より朝がいい。熱気と湿気が盛り上がってくる前の、未だ空が透明な青色の頃。人の気配のない通りに咲く朝顔も涼しげでよい。太陽が高くなり、じわりじわりと刺す日差しの元では、向日葵までも、ぐったりしてしまう。夏は、夜…

一番高くて、一番楽しみな投資

今週のお題「人生で一番高い買い物」 お金で幸福を買うことは出来ないが不幸を遠ざけることはできる。という名言がありますが、これは、何だか怖い。要するに、お金があれば安全な家に住み、安全な車に乗り、安全な食べ物を手にする事ができる。逆にお金がな…

実在のピカールと架空の大岡越前

ドレフュス事件。 1894年当時のフランスでは、売国奴のユダヤ人を庇っていると非難される事を恐れた軍部が、ドレフュスを非公開の軍法会議において証拠不十分のまま裁いた。ピカール中佐は、ドレフュスの無実を示す証拠を発見。再審を求めるが、国家的なスキ…

町山智浩さんにキノコの差し入れを

SNSでは、攻撃的な言葉遣いが飛び交う。それに丁寧に対応する町山智浩さん。内田樹先生は、SNSで知らない相手に向かっていきなり「お前」とか言ってくる人たちは「私が無作法であるのは、感情を制御できないくらい怒っているからであり、それは怒るだけの合…

覗きこんではいけない。でも手遅れかも

今週のお題「ホーム画面」 停車駅に近づき、電車はゆっくりと、そして完全に停車した。けれども駅ホームの随分手前らしく、いつもならぐんぐん流れていくはずの車窓の景色がぴたりと止まったままで、遅延を詫びる車内アナウンスが流れた。数分ならいいが、そ…

珠玉のガイドランナー ピアニスト辻井伸行

辻井伸行さんがテレビに出てらした。彼がヴァンクライバーン国際ピアノコンクールに優勝した時に、大した意味も分からずに、ご祝儀だとか自分に言い聞かせてCDを購入した事を思い出しました。コンクール課題曲は難しすぎて、どう凄いのか私にはよくわからな…

サボるのは、子どもの特権?

今週のお題「サボりたいこと」TRFのSAMさんは、親族全てはが医者の家系で小さい頃は自分も医者になるんだろうと思っていたそうです。けれど、勉強が嫌で15歳で家出した。その理由は、ただ自由になりたかった、とラジオで語っておられました。煌びやかな空間…

文化的雪かき

村上春樹先生の物語の中に「文化的雪かき」を仕事とする主人公が出て来ます。フリーランスのライターの僕は言う。「穴を埋める為の文章を提供してるだけのことです。何でもいいんです。字が書いてあればいいんです。でも誰かが書かなくてはならない。で、僕…

桃源郷の街

今週のお題「好きな街」 駅前の商店街を、大学生風のお嬢さん達が談笑しながら歩いているのをよく見かける。 それは大分のこと。駅前は綺麗に再開発された様で、昔の面影はほぼない。駅前商店街を歩くと、圧迫感のない程度に人が多くいて、平和な地方都市、…

平和で小さな公園へ

今週のお題「好きな公園」犬を飼っていた頃よく行った、とある公園。犬のくせに散歩が嫌いで、すぐに帰りたがる変な癖のあるお嬢さん犬でした。彼女が、てくてく、一心不乱に歩く。背中の毛並みが、さわさわと、お尻の毛並みはふりふりと。その様子があまり…

Coccoさんと、中島みゆきさん

Coccoさんが歌うと、いつまでも、それを見ていたくなる。曲が終わるのが寂しくなる。どうしようもなく離れがたく、心に留めておきたくて、息を呑む。 あの人が歌う姿はまるで巫女の様だ。それも、とびきり位の高い巫女、聞得大君。普通の人間なのに、神様の…

翻訳のシンギュラリティは来ないのか

もしもピアノが弾けたなら 思いの全てを歌にして 君に伝えることだろう 雨が降る日は雨のよに 風吹く夜は風のよに 「もしもピアノが弾けたなら」ですが改めて、作詞の阿久悠さんは天才ですね。とにもかくにも、ただ美しい。 この詩もそうなのですが、もしも…

理想のナワバリと中華思想

今週のお題「わたしの部屋」 子供の頃は、自分の部屋を持っている友達が羨ましくて羨ましくて、焦げそうでした。 大人になり、一人暮らしを始めると全部が自分の部屋。トイレもお風呂も寝室も、全部自分の部屋。そう思うと、こども時代の反動で嬉しさが高じ…

プーチン主義者とルサンチマン

スターリンの時代はまがりなりにもソ連には「国際共産主義運動のリーダー」という大義名分があった。世界各国に「スターリン主義者」がいて、自国の国益よりもソ連の国益を配慮して国内世論を誘導していた。でも、いま世界のどこにも「プーチン主義者」はい…

エゴサーチと匿名の功罪

ラジオを聴いていたら、森口博子さんと土屋レオレオが、エゴサーチで盛り上がっていました。人気商売って大変だなあ。ふと、心配になって、自分の名前を入れてグーグル検索してみました。 いくつかは正しくて、いくつかは別人のものでした。ほっとするやら寂…

私小説の冒険

「それは冒険ですね」 研究開発部の部長はそう仰ったのだと思うのです。というのは、私はその時、必死で英語を学習しなければならない時期だったのです。なぜなら、アメリカへの転勤希望を出してしまっていたから。自分でエントリーしておいて言うのもなんだ…

3月は子羊のように

春は淋しい。 3月の終わりに、定年退職される方が挨拶回りに来て下さいました。毎年の事で、いつも何方かが移動や退職されるのでよくある春の風物詩です。 そして今年も。 来られたのは、一見すると強面で、声が大きくて、煙草を止める気がなくて高血圧で、…

若いって羨ましい

今週のお題「デスクまわり」 仕事中はデスクに座っている事が多いのです。 毎日、入れ替わり立ち替わり、私のデスク周りには色々と人が訪れてくださる。 今日は20代女性。私はとても可愛いと思うのだが、彼女の悩みは自分の顔がいじわる顔な所なんだそうだ。…