オブネココラム

ほそぼそ産業医 その他MD.PhD.。ご放念下さい。

サボるのは、子どもの特権?

今週のお題「サボりたいこと」

TRFのSAMさんは、親族全てはが医者の家系で小さい頃は自分も医者になるんだろうと思っていたそうです。けれど、勉強が嫌で15歳で家出した。その理由は、ただ自由になりたかった、とラジオで語っておられました。煌びやかな空間に惹かれてディスコに入り浸り、ダンスに夢中になって、今は60歳になった。20代の頃のスピードは出せないけれど、20代よりも脱力して踊ることが出来るし、経験も豊富だから若い人よりもっと上手く踊れる自信がある、と。つまり、SAMさんにとって勉強はサボりたい事で、ダンスやトレーニングはサボる対象ではなかったということでした。嫌いな事って、サボりたくなる、やっぱり。

 ところで、大人になってからの勉強はちっともサボりたいものではなくて、楽しすぎて没頭してしまうものです。大学の研究室では、研究者は残業代なんて出るはずもないのに、いい年したおとな達が、寝ないで深夜まで目を輝かせて実験しているし、高額な専門書を嬉々として自腹で買って、それはそれは嬉しそうにしているし。外部から見ると変な人としか思えないけど、本人が好きでやっているから、もちろん、サボりたいなんて思いもしない。それなのに、意外かも知れませんが、子供の頃は勉強って好きではなくて、出来ればサボりたかったと答える研究者は意外にも多いのです。なんだか不思議ですが。大人になって好きな事を仕事に出来れば、そのためのトレーニングも勉強もただ楽しいし、嫌いな事をする暇もないからサボる事もない。なんとも羨ましい人生です。まあ、本当の事を言うと、現実はそれだけではなく、そんな研究者にも色々あってですね、やりたくないけど誰かがやらないといけない仕事もガンガン回ってくるし、文句たらたらでやってる場面もあります。とはいえ大人だから、それなりにちゃんと仕事はする。そんな大人の背中は、ちょっと愛おしくさえある。

そうなってくると、サボる事は子どもの特権なのですね。子供のみなさん、サボれるものは上手にサボりながら、鍛錬してください。大人の皆さん、大人の仕事はもうサボれませんので。仕方ないから頑張りましょう。大丈夫、大人だから。