オブネココラム

ほそぼそ産業医 その他MD.PhD.。ご放念下さい。

アンチブードゥー、反反知性主義に生きるには

アベノミクスはブードゥー経済学だったのか?とかいう、オシャレな言説を仄聞した。
 ブードゥー経済学?なんかのおまじないか?という訳で、ここはグーグルさんにお願い。
すると、
 
国際経済学の授業では、「“貿易黒字は儲けで貿易赤字は損”というのはブードゥー(呪術)経済学だ」と真っ先に教えられます。
グローバル市場はひとつの経済圏ですが、便宜上、国ごとに収支を集計します。これは、日本市場を詳しく分析するのに県ごとの収支を計算するのと同じことです。県内のパン屋が県外の顧客に商品を売ると「貿易黒字」に加算されます。このパン屋が県外から小麦粉を仕入れると「貿易赤字」になります。しかしこれはたんなる会計上の約束ごとで、パン屋の儲けにも、ましてや県のゆたかさにもなんの関係もありません。
ブログ橘玲 作家
2018/10/22(月)

という事らしい。
えええ?
という事は、毎日の様に流れるニュース解説は、経済学的にはブードゥーなの?経済学や政治学の研鑽を積んだ偉い人が政策決定をしていて、それにドライブされる社会の動きを、大学で文系学を修めた高学歴のアナウンサーが解説しているんじゃなかったの?学問的にまちがっていると思う原稿は、恥ずかしくて読めないと思うけれど。まさか全員で、偉い先生がいう事にいちいち反抗してみるけれど目の前の上司のいう事はとりあえず聞いておくみたいな思考停止、ヤンキーしぐさの様な反知性主義に陥っているとか?或いは、政策決定する立場の人々の知性や徳性を疑う事から始めないといけないのか?
そういえば、賢明な人物が然るべき立場に立って、この社会を回している事を信じられなくなる出来事が続いています。知らなかった、覚えてないなどと言って馬鹿の振りをする政治家というのは、自分達が享受して来た、恐らく政治家には死活的に必要だった筈の、信頼や尊敬の念というのを、そんなの要らないと言っているようなものだし。そうして国会議員は子供の憧れの職業ではなくなってしまった。末は博士か大臣か、なんてもう誰も言わない。高価な時計や車も、成功者のアイコンではなく、詐欺師や犯罪者のアイコンに見えてしまう、こんなご時勢。
 こんな時代に、何をどう考えればいいのか、どの様に社会と向き合えばいいのか?経済学とか政治学とか文系学問と縁遠い私が一人で考えていると、飲めないくせにヴィンテージワインについて語る中学二年生の様になってしまう。結局、余計に謎は深まる。
とはいえ、やはり社会学や経済学や哲学、それから文学といった文系学に答えはある筈なので、少しずつでも文系学問を取り入れて、学問を修めた先生達の言説を尊重するしかないのでしょう。混沌の時代に頼りになるのは、実は文学だったりするし。
という訳で、とりあえず本を読もうと思う。権限を持つ人物が、自分は馬鹿でもいいと公言する様になっても、メディアがヤンキー反知性主義に牛耳られているとしても、この社会はまだ、禁書とか焚書までは堕ちていなさそうだから。
 活字中毒バンザイ。