今年の漢字というイベントが、そもそもお金の匂いが強い事が知られて。その上、金が選ばれることが多い。となるとなんだかげんなりしますね。ここで気力を振り絞って、それでも漢字文化を醸成させるにはどうしたらいいのでしょう？
二十年くらい前に、中国に旅行に行った時の事。当時はスマホなんて持ってないし、ちょっとしたメモをさらさら書いていたように思う。で、旅行先で店員さんとのやり取りは、もちろん一言も通じないのに、メモに漢字を書いたらこれが通じるんですよね。楽しくて楽しくて。
電車に乗っても車内放送はさっぱり分からんのだけど、掲示板見るとなんとなく分かる。ああ、我々はアジアの同胞なんだなあとしみじみ感じた経験でした。
私は中国語も韓国語もさっぱり分からないのだけれど、韓国は数十年前に漢字を廃止している。
日本語で想像すると、ひらがなだけの文章を書くというのは、文章の様式美や情報量から考えると、なんともぞっとします。そんな事になったら困り果ててしまう。韓国語は漢字を廃止する事に伴うこういう文化的な弊害をどうやって乗り越えたのか、文化水準をどうやって保っているのかという点にとても興味があります。
という訳で、コロナウイルスがまだまだ跋扈する2022年。旅行にも行けない。会話も減っている。そんな年に漢字とか文学とかの有り難みを再考する。その漢字として、私は「通」に一票入れておきます。
話が通じるの通。通な人という意味の通。何かを抜けて新しい世界への通路という通。
やはり漢字の持つ、持ち重りのする情報量は凄いですね。韓国語圏の方々も、もう一度漢字を使いましょうよ。とても使い心地いいしお薦めですよ。
