オブネココラム

ほそぼそ産業医 その他MD.PhD.。ご放念下さい。

ビヨンド スポーツ

今週のお題「冬のスポーツ」


冬のスポーツの祭典(という事になっている)オリンピックが終わったようだ。テレビのニュースときたら全く同じ映像で全く同じ解説を一日に何度も繰り返すし、どっちにしてもお金と政治の匂いが強すぎて、結果としてオリンピックがさらに嫌いになってしまった。

 スポーツの楽しみと言えば、実際に参加するのと観戦の楽しみと両方あると思う。冬のスポーツは観ていても、素人には無理という事以外はさっぱり分からんレベルのものが多く、どう楽しめばいいのか困ってしまう。さらに、一歩間違えれば致命的な怪我のリスクが高いし、トップ選手が若くして引退し、その時には既に満身創痍の状態だなんてそんなのちっとも平和じゃない。スポーツは本物の戦争や闘争から危険を取り除いたもの。つまり安全を確保した状態で、ライバルとの闘いや競争の中で生まれる、敗北の味、負ける事からの学びとか勝利の高揚感といった、いいとこ取りを共有する、人類が生み出した文化だったんじゃないの?と思うと何だか哀しくなる。

 そう考えると冬のスポーツ競技は、やはりスポーツではないのではないかと思う。その事を具現化する様に、スノーボード競技では、高難度の技にチャレンジした選手にライバル達が集まってきて祝福するなんて事が起きているのでは?と思った。

といって、私ごときがそれらの競技を蔑視したいのではない。ただ、あれはスポーツではなく、新しい呼び名が必要なんじゃないかしらと思う。曲芸というより、極芸。将棋の棋士の様に、人生を賭するに値するとは思うけれど、スポーツという括りでは一般人は参加も観戦も楽しめない。極芸だと思いながら、演劇を観る様にうっとり観るのが正しい冬のスポーツの楽しみ方だと思うのは運動オンチの私だけなんだろうか?