今起こっている戦争は、後年なんと呼ばれるのだろう?
ロシアがウクライナを相手に戦争を始めたという事に関して、そんな事実はないという人は、とりあえず今はいないようだ。けれどこれについても後年わからないと思う。日本でも、太平洋戦争での出来事について丁寧に事実を調べる代わりに歴史戦とか言っているし、アメリカ議会襲撃についても、あれだけの動画があるにも関わらず、暴徒ではなかった襲撃ではなかったと言い出すアメリカ議会議員もいる。
こんな事が現実だなんて、とても苦々しく思う。
「町山智浩のアメリカを知るテレビ」で、アメリカ議会が襲撃された時、議会の警備をしていた警察官のインタビューが紹介されていた。彼は吐き捨てる様にdisgustingと言っていた。襲撃なんてnonsenseなのに、無意味に警察官が傷つき殉職した。その上、襲撃そのものさえなかったと言われたのだ。disgusting以外の言葉が見つからない様だった。
私は英語話者ではないので、ぴったりくる日本語は思いつかないのだが、辞書によると、苦々しい、おぞましい、腹が立つ、うんざりする、などと書いてある。
さらにdisgustingな戦争が始まった。
プーチン政権は、強大で邪悪なNATOの侵略から旧ソ連を護るために、そしてNATOに侵略されそうになっているウクライナとそこに残るロシア人を救済するためという物語のもとで軍事侵攻を始めた。しかし今や世界は、邪悪なプーチン政権と戦う気の毒なウクライナ、という物語が主流となっている。
そうなると、軍事力そのものとは関係なく、プーチン政権は負けるだろう。国や民族といった規模の大きな集団を動かせるのは、いつの時代も物語だけだから。物語を失った軍隊は、ただの殺人者集団でしかなく、自身の命を賭けてまで単なる殺人者になりたい人はいない。士気は下がり、目的を見失う。
プーチン政権はどういう終わり方をするのだろう?政治家は引退します。でも言いたい事言うし、政界や業界への影響力は手放しません。とかいうdisgustingな日本の元政治家とはさすがに違うのだろうが、こっそり建てたとされるプーチン宮殿で余生を蟄居して過ごすのだろうか?
プーチンがいなくなったロシアで、遺構として公開されたプーチン宮殿を、のんびり観光できる日が来て欲しいと思う。