オブネココラム

ほそぼそ産業医 その他MD.PhD.。ご放念下さい。

大人は気楽だ

初めて行く定食屋さんで唐揚げ定食を注文。
手際のいい店員さんがお膳を運んで来てくれて、ごはんと明太子はおかわり出来ますのでどうぞ、と言った。と思う。
ありがとうございますと受け取ったものの、
明太子?
唐揚げとキャベツとお味噌汁とご飯。
明太子は見当たらない。
おみそしる、キャベツ…聞き違えるには無理がある。うーん。
隣の席にサラリーマン風のおじさんが座った。
ハンバーグ定食を頼んでいる。
あ、さっきの店員さんが運んで来た。
おかわりは…って言わないのか。常連さんだからかな。残念。
後ろにもお客さんが来た。
うーん。声は聞こえない。
今さら尋ねることもできず、明太子は何だったんだろうと思いながら、店を後にした。
 そういえば独りでレストランに入って食事をするのが普通になったのはいつからだろう?
友達や家族がいない寂しい人って思われたらどうしようとか、そんな事が気になって行けなかった若かりし日々。我ながら可憐だったなあと思う。大人は気楽だ。若者特有の、うじうじした感触も懐かしい気もするが、こっちの方がやっぱり楽ちんだ。若者よ、早くこっちに来なよと思いつつ、
引き換えに何かを失ってしまった寂しさも抱えつつ。