オブネココラム

ほそぼそ産業医 その他MD.PhD.。ご放念下さい。

追悼 西村賢太先生 今更だけど

明治の文豪が令和に死んだ。

西村賢太が急逝してしまった時にそう思った。明治時代を生きた人なら、人はいつか死ぬんだし、悼んでも寂しがっても仕方がない事は解っている。でも西村賢太は、令和を普通に生きていた作家なのだ。彼の文体は、内容が現代なのになぜかとても古い感じがした。明治の文豪が令和にタイムスリップして書いていると考えると、しっくりくる様な不思議な文体だった。

衛生状態が悪く、人々から土臭い匂いがして、病気がちで、でも誰もが力強く生きていた時代から比べると、ジェントリフィケーションされてしまった令和は居心地悪かったのだろうか?不健康な生活をして、さっさと明治時代に帰ってしまったのだと思う事にした。また、帰って来てはくれないだろうか?