オブネココラム

ほそぼそ産業医 その他MD.PhD.。ご放念下さい。

太宰府天満宮の楠

太宰府天満宮には、大きな楠が何本もある。太宰府天満宮幼稚園は境内のすぐ隣にあり、天神様の幼稚園という歌詞が園の歌の中にあるのが自慢だった。楠の巨木が幼稚園を出たすぐそばにあり、幼稚園の帰りにお迎えの母を待つのは、いつもその樹の下だった。待ちくたびれて登ってみたり、そんな事が許された時代だった。

いつしかそのクスノキには囲いがされ、近くまで立ち入る事が出来なくなっていた。そしていつしか、囲いの中は草が生い茂り、さながら小さな森の様になっていた。

 樹齢から想像するに、数十年の年月は我々の数日位の感覚なのだろうか?その数十年で子供は大人になり、時代が移り変わる。その楠の前に立つと、体の芯がふと冷たくなるようなノスタルジーを感じる。たかだか数十年でこれだから、数千年生きたら一体どんなノスタルジーを感じるのだろう?超越した何かなのだろうか?