オブネココラム

ほそぼそ産業医 その他MD.PhD.。ご放念下さい。

鬼には、まめまめしく

今週のお題「マメ」 子供の頃、私は大変な事をやらかしたらしい。幼すぎて覚えてはいないが、節分の豆を鼻から食べようとしたらしかった。母は、ふーんしなさいと、幼な子を励まし出させようとしたが上手くいかなかった。困り果てた母は私を病院へ連れて行った。先生が、ゾンデが何かで、鼻の奥に挟まった豆をさらに押し込み、喉の方に落ちたので、これで大丈夫ですよという事だったので、母は幼な子の手を引いて帰路に着いた。家に着いて、ほっとひと息ついたところで起きた出来事はというと、なんと、私の鼻からつるりと豆が出て来たんだそうだ。母はその時、とんでもなく脱力して、でも笑いが止まらなかったそうだ。
 という様な話を、節分になる度に、毎年、まめまめしく母に聞かされているが、そんな幼な子も、いつしか既にいい歳した中年だ。子供というのはそういう訳で、とにかく手がかかる。思い起こすと、迷惑をかけて、それでも育ててくれた両親と、この社会に感謝の念でいっぱいになる。
育休中にスキルアップをなんて、どうやったらそんな鬼みたいな事を思いつくの?という発言を我が国の首相が口にして、呆れ果てた。あの原稿を書いた役人も、迷いもなく読んだ首相も、子供が嫌いなのだと思う。何をしでかすか分からないし、煩いし、それこそ何の生産性もないのに衣食住から何から、出費ばかり嵩む。そう考えているのではないだろうか?しかし、自分だってそうやって先行世代にお世話になって大人にしてもらったんだし、子供はそういうものなのに。
 子供叱るな、来た道だもの
 年寄り笑うな行く道だもの
という言葉を、まめまめしく口にしていこうと思う。
まめまめしい、という言葉の響きは、可憐で素敵だから。
甲斐甲斐しいというと、どこか、うざったい感じがするし、まめだねえ、というとなんだか見下している様で感じが悪い。そこへくると、まめまめしい、は、本人が楽しんでいる感じが醸し出せる。
 鬼とは、まめまめしく闘う。